精神疾患について考察するブログ

自分が患っている精神疾患を中心に、それらの疾患や患者とどうやって向き合っていけば良いかを考察します

「溜まっている」ではなく「取っておく」

抑うつ状態が強い時は、倦怠感、集中力の欠如、疲労感などの症状のため、やりたい事がやりたいタイミングでできないことが多くなります。そうすると、大抵のことは必然的に「やりたいタイミング」ではなく、体調が比較的安定している「やれるタイミング」でしかできません。簡単な例を挙げれば部屋に掃除機をかけること。たったそれだけのことですら、体調が安定していないときに無理やりに実行すると、その代償としてしばらく起き上がれないくらいの強烈な疲労感に暫く苛まされることがあります。

 

家事一つ取ってもこの有様なので、趣味に関しては何をかいわんや、です。筆者の場合、健康な頃はゲーム、アニメ、音楽鑑賞、写真撮影、ゴルフ、ジョギングなど人並みに趣味を楽しんでいましたが、精神疾患を患ってからはほとんどまともに楽しめていません。

 

プレイステーション4で大好きなシリーズの新作ゲームを買って来ても、画面の繊細さ、目まぐるしく変化する状況についてゆけず、体力がものすごい勢いで削られていくのがわかります。結果、細かな休憩が必要になってしまってまったくのめり込めませんし、クリアなんて程遠いものです。

 

アニメもどんどん録画したタイトルが溜まっていきますが、場合によっては1クール分(3ヵ月で12~13話。1話辺り約30分)を一度も見ないまま放置するなどということもザラです。音楽については、元々アップテンポな曲が好きなのですが、そういう曲を体調の悪いときに聴くと音楽ではなく雑音にしか感じられず、余計に気分が悪くなります。

 

インドア系の趣味ですらこの調子なのですから、残りのアウトドア系の趣味については説明する必要すらないでしょう。もっともうつとセロトニンの回でも述べたとおり、軽い運動はセロトニンの分泌を促し健康増進の効果がありますが、激しい運動は逆効果となります。そのためジョギングとゴルフ(筆者は下手くそなのでしょっちゅうラフに打ち込んでは走ってを繰り返してしまうのです)についてはドクターストップがかかっています。

 

さて、そんな筆者でも体調安定期になるとゲームはやりたくなるし、アニメも見ようかなという気になるし、音楽も聴きたくなってくる。ちょっとどこかに出かけて綺麗な写真だって撮りたくなります。ただし双極性障害II型の特徴には、うつ状態が長く、躁状態は短いというものがあります。必然的に体調の良いときは短く、やりたいと思ったことをすべて消化することができず、どんどんと積み重なっていきます。この状態は精神衛生上、非常によろしくありません。体調さえ良ければ全部消化できるのにと思ってしまい、少しでも体調が良くなると無理してすべてをやろうとしてしまって体力を使い切り、また抑うつ状態に戻ってしまうからです。

 

そんなことを繰り返しているうちに、カウンセラーの先生からさすがの一言をいただきました。

 

「やりたいことは溜まっているのではなく、取っておいてあるのですよ。」

 

なるほど。楽しみは後に取っておくという考え方にするだけでも、だいぶ気分が楽になります。